2020年2月、新型コロナ感染拡大直前にメディアコスモスでの新春美術館2020にて
ギャラリー水無月より個展を開催しました。
そこには様々なヒントが隠されていた。
メディアコスモスは大きな図書館のある誰もが利用できる素晴らしい現代建築の複合施設。
海外からもたくさんの専門家が視察にやってくる。
その中にある大きなギャラリー。
展覧会を目的としない人でも、たまたま何やらやってるから覗いてみようか、
と大勢の人がやってくる。会期中一万人近い人が展覧会に訪れるのだ。
今まで私がやってきた展覧会と今回の一番の違いは、たまたま訪れた子供たちの反応だった。
私の展示はインスタレーション(空間表現)なので子供達は身体全体で体感してくれたこと。
何人もの子達が「まだ帰りたくない!!」「もっと観たい!!」と泣き叫んでいた。
「ねぇ!ママ!このタコみたいなやつ、持ち手がついてるよ!バッグになるやん!」
って、笑。
「ボクすごい発見をしたよ!!!」と得意げにママに話している子。
「きれいだねー、海の中にいるみたいだよ!」と言う子。
「もっと観ていたい!」と床にひっくり返って泣く子。
私不在の間、監視員の方から同じようなことが多数あったとのお話も頂いた。
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私は敢えて説明などしないでそっと見守っていた。
私の役目はこの空間を責任を持って提供することで完結しているのだと思った。
抱えていないで「手放す」、ということかもしれない。
あとは鑑賞者がどう思うか、感じるか、何を問うか、何を考えるかの問題であると言うこと。
鑑賞者がアートと対話できることこそアートを鑑賞する醍醐味であること。
ならばこのような時代にどんな発表の仕方をしていくべきか、答えは出ている。
アートは人と人が触れ合わなくても多数の人に伝えることができるのだ。
いや出来なくてはいけないのだ。
作家の想いなど鑑賞する上では単なる入り口に過ぎず、その先は鑑賞者各々が創っていくものであること。
そして作家はアトリエで制作する、準備、思考する時間、
社会とかけ離れた世界で唯一無二の創造を構築する時間がどれだけ大切かということ。
日々、知りたい、試してみたい、創りたい、終わりのない好奇心の探求。
時間はいくらあっても足りない。
今回のコロナ自粛ではたっぷり使える時間がとても幸せで
この時間がずっと続けばいいのになぁ、なんて思ってた。
一方でやっぱり海外に旅に出たい。
今までいろんな国に出向いたけど、なぜかフランスの田舎は忘れられない。
しかしこればっかりはいつになるのかわからず、困ったものだ。
今年の秋に予定していたフランスでの個展は、
covid19のため来年5月に延期しようと思うけどどうかな?と連絡が来た。
5月でも大丈夫だろうか。。。
先のことなんてわからない。
今を集中して生きると言うことは過去を捨て未来を夢見るのを捨て現在に集中すること。
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ひとりでも多くの子供達に届け!!!
そんな想いで日々の制作を続けて、生きたい。